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help リーダーに追加 RSS フォーシーズンホテルとペニンシュラホテル(2)

<<   作成日時 : 2008/01/07 15:51   >>

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年も明け、彼女と二人で、再び会うことにした。

「寂しい、お正月だったなぁ」

そうだろうと、思う。

彼女は、日比谷に昨年新しく出来た、5つ星ホテル、
「ペニンシュラ」を予約していた。

年末は丸の内ですごし、新年を日比谷で迎える彼女。
予約した彼女の心を推し量ると、亡くなった夫への想いが、
痛いほど伝わってくる。
彼女の夫は、年んがら年中残業で、高層ビルの一室で、
一夜を明かす事も多々あった。
脳梗塞で倒れるには、早すぎた死だった。


「昨年はありがとう。
なんとか、クリスマスを、やり過ごしたけど、やっぱり打撃」


ペニンシュラは、まっさらな、新しく出来たホテル。
きっと、彼女は、このホテルのように、心機一転したかったの
だろう。

彼女の予約したスウィートは、皇居を眼下に見下ろせる
広々とした部屋。

「皇居を真下に見下ろしながら眠るなんて、不敬罪にならない?」
と、私。

「部屋に、居ながらにして、皇居参拝なのね。」

二人は、作り笑顔で、うなずいた。

-----
皇居を、こうして窓から眼下に望むと、天皇ご一家の住まう
お屋敷は、狭いような、広いような・・・不思議な気がする。

のっぽのホテルや官公庁に囲まれた皇居は、森に囲まれてい
るとはいえ、お住まいは、丸見えだ。
(公私共に、落ち着かないだろうなぁ・・・)

しかし、この部屋から見る景観は、確かに、すごい。
元、日活の跡地に立つペニンシュラ。
よい立地条件だが、跡地は三角形をしているらしい。


ウエルカムワインがテーブルに置かれ、二つワイングラスが
並んでいた。
ペニンシュラは、香港だが、応接間のテーブルの上には
オカキがいくつか入った重箱と、柿が二つ、添えてあった。
日本らしい、趣向も工夫されている。

バスルームにはTVがあり、 ユカタがあり、デスクも備え付け
られている。
ペニンシュラのバスローブとタオルは、分厚く、とても大きく、
ペニンシュラの経済力を思わせる。
数えてみると、TV3箇所・デスク3箇所。
二人は、この、バスルームのTVが大そう気に入った。
(アメニティーは中国製。
 丸の内フォーシーズンはフランス製。
 軍配は、香り、デザインともに、フォーシーズンの勝ち)

----
都会のホテルは、日常見られないような人々が集まる。
作家と思しき老人と、振袖を着た若いホステス。
ミュージシャンと思われる家族。
最新の洋服を身にまとった、モデルも多く見かけた。
イギリス人の家族連れは、食事中、会話をほとんどしない。
とくに、ご主人と思われる紳士は、話をしない。
マナーの国だと思う。

アメリカのご夫妻は、ウエイターが椅子を引く前に、当たり前
のように、テーブルに着くか否かのうちに、奥様の椅子を引く。
人間観察にはもってこいのホテル。

------
ペニンシュラでは本来、中華を頂くのが本筋だが、フランス料理を頂いた。
コック長は、若き35歳。
ありきたりの味ではない、洒落た味付けが新鮮だったので

「おもしろい味でした。お若い方が料理しているんでしょう?」

「おもしろいと言って頂けるのが最高です。
 若い?わかりますか?35歳のコック長です」

食材の素材が複雑に絡み合った料理とソース構成。
それぞれの持ち味が、特徴を捉え、よく考え出されていると思う。
食いしん坊の二人には、”ガッツリ、一皿”とは、対面できないのが
少し、心残り。
混んでいたせいかもしれないが、もう少しじっくりメニューを
見たかった。
「メインを決めて頂ければ、後はこちらで構成します」
(”待て待て、じっくり吟味して、こちらで選びたいんだけど・・・”
 とは、雰囲気的に言えなかった)

------
食事から帰り、エレベーターに乗ってきた若い二人連れは
全身オーダーメイドで、見るからに香港系財閥の二人連れ。
若い男性が、エレベーターを押した階は、最高階だった。

どこに、不況の波があるのだろうか・・・。
大都会のホテル。

ペニンシュラの一階は、アフタヌーンティーの客で賑わうが
ありきたりの味で、高い割りに、あまり美味しくない。
暖かくないスコーンには、がっかり。
紅茶は、確かに、美味しい。
重い銀のティーポット。
頃合を見計り、係りの方が、カップに紅茶を注いでくれる。
自分のペースでお茶を飲みたい向きには、このサービスは
余分な気がするが・・・。


若い方々は、目を配り、気配りしてはいるが、支配人が、部下
と、立ち話をずっとしているのが気になった。
清算場所も人が並び、ごったがえしている。
室内へ向かうエレベーター脇、大理石もどきの白い壁面下の
汚れが目立つ。

気になったのは、女性が全員といってよいくらい、厚化粧だった
事。
どの顔も、ホステスみたいだ。

出来上がったばかりのペニンシュラは、謳い文句の「5つ星」
とは、言いがたい。


招待してくれた彼女の胸中を、家に帰っても、まだ、思っている。

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